2017年3月14日火曜日

これこそは

昔は「音楽こそ最高」と思っていた。

浅はかな考えだったと思う。


絵描きにとっての絵や書道家にとっての書、小説家にとっての小説がどんなに輝いているものなのか知りようもない。


美はそれぞれの心の中に現れるものだ。


自分を主張することはあるし、時にぶつかることはあっても、人の心の中までは知り得ないのだ、という謙虚さをいつでも持たなくちゃいけないなと思う。

何がその人の中で起こってるのか、想像はできても実感できない。


逆に、人からなんと言われても自分が美しいと感じたものは美しい。

それは人に認めてもらうものじゃない。

そっと心の中に抱いていればいい。

2017年3月13日月曜日

Holi

今日はホーリー祭みたいだ。
ヒンドゥー教のお祭りで、カラフルな水や粉を誰彼かまわずかけまくる。

昔コルカタを旅していた時にホーリー祭に出くわした。
もう全身めちゃくちゃになった。

外国人旅行者なんて格好の餌食で、特に子供たちに狙われる。
祭りが終わった翌日、安心してリクシャー(三輪タクシー)に乗ってたら、走って追いかけてきた子供に「ハロー!」とまたやられて、しょんぼりした。

今は全部いい思い出だ。

あの時、ゲストハウスで会ったギター弾きのお兄さん何してるだろう。ベンガル語が上手でビートルズを歌ってた。
朝っぱらから人の顔を粉まみれにして笑ってた。いつも難しそうな顔をしてた自分に「もっと楽しめよ」って言ってたんだな、と今なら分かる。

2017年3月9日木曜日

自分の中の悪魔


自分の中に悪魔がいて、それは中学から高校時代にかけて最も大きな存在だった。
捻じ曲がっていて冷酷で、人を傷つけて喜んでいたそいつは20代を過ごすうちにゆっくりと小さくなっていった。
彼が支配的だった間は、優しさが嘘に見えた。すべてのことを虚無的に捉えていた。
だけど自尊心は異常に強く、完璧な存在であろうとした。そのために邪魔なものはどんどん切っていった。

彼が小さくなっていったのは、人からたくさんの愛情を注いでもらったからだ。
傷つけても、悲しませても、自分の側にいてくれた人たちが自分を変えていった。

時々、傷つけてしまった人たちのことを夢に見る。